杜子春 4
芥川龍之介作「杜子春」 第4回10分05秒(青空文庫より)二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞い下がりました。そこは深い谷に臨んだ、幅の広い一枚岩の上でしたが、よくよく高い所だと見えて、中空に垂れた北斗の星が、茶碗ほどの大きさに光っていました。
View Article杜子春 5
芥川龍之介作「杜子春」 第5回(最終回)12分22秒(青空文庫より) (杜子春5・6)杜子春の体は岩の上へ、仰向けに倒れていましたが、杜子春の魂は、静かに体から抜け出して、地獄の底へ下りて行きました。(雷…かみなり、と読まず青空文庫の通り、らい、と読んでいます)
View Article蠅 前編
横光利一作「蠅」 前編7分18秒真夏の宿場は空虚であったただ眼の大きな一疋の蠅だけは、薄暗い厩の隅の蜘蛛の巣にひっかかると、後脚で網を跳ねつつ暫くぶらぶらと揺れていた。
View Article蠅 後編
横光利一作「蠅」 後編10分31秒「おっと待てよ。これは倅の下駄を買うのを忘れたぞ。あ奴は西瓜が好きじゃ。西瓜を買うと、俺もあ奴も好きじゃで両得じゃ」田舎紳士は宿場へ着いた。
View Articleごんぎつね 1
新美南吉作「ごんぎつね」 第1回9分20秒これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。むかしは、わたしたちの村のちかくの、中山というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。
View Articleごんぎつね 2
新美南吉作「ごんぎつね」第2回(了)9分15秒兵十が赤い井戸のところで、麦をといでいました。兵十はいままで、おっかあとふたりきりで、まずしいくらしをしていたもので、おっかあが死んでしまっては、もうひとりぼっちでした。「おれとおなじ、ひとりぼっちの兵十か」
View Article秋 草
島崎藤村作 「秋 草」8分18秒(青空文庫より)過日、わたしはもののはじに、ことしの夏のことを書き添えるつもりで、思わずいろいろなことを書き、親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹を凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。
View Article
More Pages to Explore .....